白山比咩神社の「豊年講寄稿「白山さんの恵み」」を掲載しています。

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豊年講寄稿

(平成26年11月)

白山さんの恵み

能美農業協同組合 代表理事組合長  土井 重夫

土井 重夫 実りの秋を迎え、水田一面が黄金色に輝く稲穂を見る度に「霊峰白山」の恩恵のありがたさが実感できる季節を、今年もまた迎えることが出来ました。
平成26年はこれまでに3つの台風が日本列島に上陸し、中でも日本列島を沖縄から関東にかけて縦断した超大型台風8号と、四国から関西地方を横断した台風11号、そして東海から関東を抜けた台風18号は農作物に大きな被害をもたらし、多数の尊い命を奪うこととなりました。ここ石川県においては作物や人身への被害はほとんど無く、水の恵みだけでなく白山の懐に抱かれ守られている加賀平野への恩恵の大きさに、毎年のことながら深く感謝をする次第です。

加賀平野から仰ぐ白山

さて、今年の米の作柄については、作付けの中心となっているコシヒカリにおいて8月の日照時間が平年の60パーセント以下と極端に少なかったことから、品質への影響による農家の皆さんの所得減少も危惧しているところです。
一方、最近の農業を取り巻く情勢は年々厳しさを増しており、農業経営所得安定対策の見直しにより、平成30年には米の直接支払交付金が完全撤廃され、過剰米の増加による米価下落、TPP交渉における農産物の関税交渉など問題が山積しており、小規模ながら家族や地域で守ってきた水田農業の行方が不透明な状況となっております。
JA能美では地域に密着した組織として、あらゆる形態の農業者に対し、態様に応じたアプローチで地域農業の担い手育成に取組むとともに、農産物直売所への出品農家の育成や、地域の特色ある食文化を生かした加工事業の展開により、農業の振興と地域の活性化を目指しています。また、事業活動を通じた地域貢献活動に取組むことで、組合員や地域利用者との繋がりの強化に努め、農業者が農業を続けられる環境づくりに今後とも取り組んでまいりたいと考えています。
私達の管内は、まんなかに手取川が流れ、文字通り白山さんの恵みを最も受けている地域でもあり、「白山さん」の大神様のご加護に感謝するとともに、清らかな手取川の流れを次の世代に繋げ、実り豊かな農地が永きに亘り続きますようお祈り申し上げます。

(10月10日 記)

手取川河口