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白山登山の豆知識 成人儀礼としての「白山参詣」
(平成23年7月)
日本登山の歴史は、江戸時代までの「信仰登山」から、近代以降の「スポーツ・観光登山」へと大きく変化しました。
現在、若者から中高年までの幅広い世代で登山がブームとなり、白山も登山シーズンには毎年約3万人の方々が訪れています。
加賀平野では、戦後しばらく「白山参詣」という行事があり、20歳前後の若者の義務として、白山に登拝することが郷土の慣習となっていました。
出発の日は夜中か早朝に家を出て、先ず地元の氏神様にお詣りしてから、村はずれまで村人達の見送りを受けます。これは村を代表して「白山参詣」に行くといった性格があったとされているからであります。
当時の男性たちは、「生国一の山を登ってこそ一人前の男」といった考えを強く持ち、年頃になるとこぞって白山を目指しました。
戦前までは登山成功を感謝して草鞋塚に草鞋を奉納し、杖に焼印を押してもらう登拝習俗もありました。
4日間ほどの全行程を無事終了した若者たちは、一つのことを成し遂げた自信と誇りによって、本当の意味で成人し、そして困難や苦痛を乗り切ったことで、これからの人生のさまざまな試練にも打ち勝つ強さを身につけたのです。
「白山参詣」は、一人前の男性となるための通過儀礼であったのです。