白山比咩神社の出来事をつづる「社頭あれこれ(令和5年5月の出来事)」を掲載しています。

社頭あれこれ

社頭あれこれ(令和5年5月の出来事)

【5月4日】神秘的な禊体験

5月4日、カナダ(ケベック州)からの観光ツアー客約80名が、3班に分けて日本の伝統的神事「禊」を体験しました。神社としてもコロナ禍後の初のインバウンド向けの対応となりました。
白いシャツと白短パン、鉢巻姿で、舟を漕ぐ動作「鳥船行事」を行った後、冷水に身を浸して「罪」「けがれ」を祓い清めました。
参加者らは、「神秘的な体験」「気持ちが良い」「水がとても綺麗」などと感謝の言葉がたくさんありました。
また、禊の待ち時間の間に鶴来清沢町の「赤獅子保存会」による鶴来地区伝統の獅子舞を披露しました。
この受入を行った白山市観光連盟は、「白山手取川ジオパークの文化と歴史、自然の豊かさを体感できる場として、神社の魅力を発信していきたい」と話されていました。

外国人の禊体験

【5月6日】重儀「例大祭」厳粛に斎行

5月6日、新緑が美しい好季節の中、年に一度の「例大祭」が斎行されました。
本年度の大祭は、参列の制限を設けず、当日は氏子崇敬者総代会会長中村健一氏をはじめ県内外から100名の参列を頂きました。
祭典には、石川県神社庁長北村嘉章氏に献幣使としてご参向を戴き、神前には菅原道真公ゆかりの特殊神饌「梅枝糕(もち)」や「口型餅・舌型餅・寄餅」などの神饌をお供えし、宮司の祝詞奏上、献幣使の祭文奏上に続いて、世界の安寧を願う「浦安の舞」を奉奏しました。
また、午後3時の夕御饌祭には「菱形餅」をお供えしました。
霊峰白山から戴く清らかな水の恩恵に感謝し、世界中の人々が幸せに日々を過ごせるようお祈りしました。

浦安の舞 奉奏

【5月21日】早乙女姿で豊作願う御田植祭斎行

青空が一面に広がった5月21日に、当社奉耕田(白山町)にて御田植祭が斎行され、早乙女役として地元の鶴来中学校1年生、朝日小学校5・6年生の女子生徒ら17名が鮮やかな紅白の愛らしい装束をまとい、足をとられないように水田に入り、太鼓の合図で早苗を天高く掲げ、心を込めて田植えをしました。
早乙女たちは秋に豊かな稲穂になりますようにと祈りました。

早乙女の田植え

「イセヒカリ」について
御田植祭で植えられた苗は「イセヒカリ」という品種です。平成元年に三重県を2度の台風が襲い、伊勢の神宮の御田で育てられていたコシヒカリの稲穂は全て倒れてしまいました。そんな中、2株だけ台風に耐え直立を保った稲がありました。それがコシヒカリとは異なる新しい品種であり、神宮に因んで「イセヒカリ」と名付けられ、以後神宮における神饌米として用いられるようになりました。 当社では平成13年に神宮よりイセヒカリの籾種を拝受し、育苗後、御田植祭の苗として使用しております。

【5月30日】第69回崇敬者のつどい・加賀一ノ宮敬神婦人会5月総会 特別講演(狂言)開催

5月30日、当社多目的施設を会場に崇敬者のつどい特別講演「伝統を未来へ」が開かれ、加賀藩前田家お手役者狂言師 十世 三宅藤九郎さん、特別出演として狂言和泉流 二十世 和泉元彌さんをお招きして開催しました。
今年の秋に石川県にて開催される国民文化祭を応援する講演会でもあります。
当日は全席指定で約300名の参加となり、またインスタグラムでもライブ配信を行い、多くの方に拝聴戴くことができました。
講演では、三宅さんが分かりやすく狂言の歴史や加賀藩前田家お手役者としての役目をお話され、その後和泉さんも大きな拍手の中登壇し、狂言の基本の型や独特な動物の鳴き声やお酒を注ぐ様子などを実演し、三宅さんから丁寧な解説がありました。
笑いの芸術とされる狂言をさらに楽しむために加州御狂言「呼よびごえ声」を主・和泉元彌さん、太郎冠者を三宅藤九郎さんお2人にて披露して戴きました。
物語とともに会場の笑い声も響きあい、日本芸能の原点と言われる狂言を心の底から楽しむことが出来た講演会でありました。
講演終了後、幣拝殿にて合同奉告祭が斎行され、その後崇敬者のつどい表彰式、敬神婦人会5月総会がそれぞれ会場を分けて開催されました。

左 和泉元彌さん 右 三宅藤九郎さん