白山社めぐり(133)「白山神社(岐阜県)」をご紹介いたします。

白山信仰と白山比咩神社

白山神社(岐阜県)

御社殿
鎮座地岐阜県関市中之保70番地の1
御祭神白山比咩命
例祭日4月3日
氏子数350戸
宮 司可児大喜

由 緒

美濃紙で有名な長良川の河口の町、美濃市より東へ山一つ越した中之保という地にこの社はお祀りされています。今は関市ですが以前は武儀(ムギ)郡であり、長良川の中流域あたりに郡衙がありました。古代は三馬場の一つ美濃禅定道のある郡上も武儀郡でしたが、後に、武儀郡の北に位置する為、郡の上、即ち郡上となりました。
武儀郡の古代豪族、ムゲツ氏(身毛君広)は壬申の乱で活躍し、大海人皇子軍の勝利に大いに貢献しました。また、『延喜式』には、立春の日に天皇へ若水を献上する役割を担ったとあります。最近の郡衙付近の調査で、水辺の祭祀場跡が見つかりました。このことから、ムゲツ氏は、白山を源流とする長良川水系の水の祭祀を司っていたことが証明され、白山からの水が宮中で大切にされていたことが分かりました。
霊峰白山を仰ぎ見るこの地域の主な山には、泰澄大師開山と伝えられる白山神社が多くありますが、この社もそれらの内の一社と思われています。
このあたりの1番高い山、岳山(タケヤマ)599mの頂上に奥宮が中腹に中宮があり、里宮となっていて、以前は中之保村の総社とされていましたが、現在は日根区という小さな集落の氏神様としてお守りされています。
ご多分に漏れず、山間地を代表する問題、少子高齢化過疎化に直面している社ですが、毎年氏子総出で厳粛に祭礼を行っている次第であります。