白山比咩神社の「コラム[column]兎のおはなし」を掲載しています。

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コラム[column]兎のおはなし

(令和5年1月)

令和5年は「癸卯(みずのとう)」「兎(うさぎ)」の年であります。
古くから兎は神の使いとして縁起の良い干支(動物)であります。
有名な日本神話「因幡の白兎」には、だましたワニ(サメとも)に仕返しされ、哀れな兎が登場します。傷を負った兎を救った大国主命(出雲大社主祭神)は、兎の予言通りに八上比売(やかみひめ)と結ばれるストーリーであります。

また、月になぜ兎がいるのかを語る伝説にはインドに伝わる『ジャータカ』などの仏教説話に見られ、日本に渡来し『今昔物語集』などにも収録され多く語られています。
物語は猿、狐、兎の3匹が、山の中で力尽きて倒れている老人に出逢い、3匹は老人を助けようと考えました。猿、狐はそれぞれ老人に食料として与えたが兎だけは、どんなに苦労しても何も採ってくることができず、自分の非力さを兎は嘆きました。
でも何とか老人を助けたいと考えた兎は、自らを食料として与えようと、火の中に身を投じました。
すると老人の姿を借りた帝釈天(たいしゃくてん)が正体を現し、兎の慈悲行を後世まで伝えるため、兎を月へと昇らせたといいます。

この兎のおはなしは、裏千家淡交会の機関誌にも掲載されております。秋になると兎や月をデザインしたものが茶道具として使用されることが多いようです。

「兎」の抹茶茶碗

また、ウサギの耳のように、細長い輪を左右に結び出した「兎」の結びといった伝統的な技法もあり、日本文化の奥ゆかしさを感じます。

「兎」の結び(長尾茶入・仕服 宝間堂)