白山比咩神社の「豊年講寄稿「白山の恵み、命の水を未来へ」」を掲載しています。

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豊年講寄稿

(令和3年3月)

「白山の恵み、命の水を未来へ」

手取川宮竹用水土地改良区理事長  善田 晋作

善田 晋作 今年は、昨年からの新型コロナウイルスの感染拡大と平成30年の記録的な大雪には至らないものの度々日本海上空に強い寒気が流れ込み、凍てつくような冷え込みと風雪に見舞われる厳しい年明けとなりました。
流域に暮らす我々にとりましては、特に大きな被害も無く、白山の峰々は深い雪で覆われ、昨年のような夏場の渇水被害を心配することもなく、春の農作業を始める3月を迎えることができました。
さて、手取川を水源とする「宮竹用水」は、白山頭首工の右岸で最大時毎秒約15uの用水を取入れ、天狗橋下流の分水工から手取川の河床を潜る宮竹サイホンで左岸側に引水し、能美・小松地域一帯の水田にかんがい用水を安定的に供給しています。
このため、我が土地改良区は、農業用水では国内随一の自然排砂方式の沈砂池、総延長約110qの水路などの水利施設を管理するとともに、地域内の不要な水を梯川に排除する八箇所の排水機場を管理して災害の未然防止に努めております。

宮竹用水管内から望む霊峰白山

また、農業用水を活用した2つの水力発電所は、1時間当たりの最大発電出力の合計が 県内最大の1200kwを誇り、原発・化石燃料への依存からの脱却を目指す脱炭素社会への要請にも最も安定した自然エネルギーを活用した発電として積極的に寄与するものとなっています。
こうした管理を通じて必要な時期に必要な量が配水される農業用水は、今日まで持続的に地域農業を支える一方、地域の隅々にまで行き渡り、生活環境保全の観点からも欠くことのできない資源となっており、次世代に着実に引き継いでいく必要があります。
これらの取組みは、ひとえに霊峰白山の白山比咩大神様のご加護と豊かで清らかな水の恵みによるものと感謝いたしますとともに今年の五穀豊穣と命の水の恩恵に浴される方々のご発展、ご活躍をご祈念申し上げる次第であります。

宮竹用水沈砂地