白山比咩神社の「コラム[column]種苗法 その後」を掲載しています。

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コラム[column]種苗法 その後

(令和3年1月)

去る12月2日、参議院本会議にて種や苗を海外へ無断で持ち出すことを規制する改正種苗法が可決、成立致しました。
今回の改正により、種子の開発者が輸出する国を指定したり、国内での生産地域を指定することができ、故意での持ち出しを行った場合の罰則強化などが盛り込まれました。
予てより、シャインマスカットの種子や、あまおうの苗が外国に持ち出され、無許可で生産し、日本産の本物より安い価格で販売され、輸出を阻害されている現状に、一石を投じることとなると期待されています。
この改正種苗法に関しては昨年、SNSを中心に反対運動が巻き起こり、関心が高まったかと思います。
特に自家増殖の使用の許諾の必要に関して多くの声があがっていました。
これはその年に生産した野菜や果物から採取した種子から、次の年にその種子を使用して生産する場合、その種の開発者に対し許諾が必要で、農家に負担を強い兼ねないとのことでした。
しかしながら、シャインマスカット等の登録された特定品種を生産する場合はそれにあたりますが、そもそも我々がスーパーなどで購入する野菜、果物は安定生産の可能なF1種である、一代限りの品種がほとんどを占めており、その指摘はあたらないとも言われております。
一代限りのF1種に対して何代も使用する固定種があります。
固定種は品種登録ができないため、自家採取はそもそも許諾の必要がありません。またF1種のほとんども世界で五本指に入る日本の種苗会社が日本に合わせた品種の生産を行っており、それを日本の農家が購入し、日本国民が消費することで種子メジャーと言われる海外の大手企業の進出を日本の種苗会社が守っているという実情があります。
日本の小麦の食料時給率は12%、米は98%と言われていますが、年間の生産量は800万トンといわれ、中国・大連では4月だけで220万トンと言われています。
我々一人一人が、自分の口にするものに対してこれまで以上に関心を持つことが重要です。